劇団はぐるま座
山陽小野田市
復活!住吉まつりで『笠井順八と高杉晋作』上演
2025.5.25
山口県山陽小野田市の住吉神社で5月24日、25日の2日間、「第14回復活! 住吉まつり~世代を超えてつながる日~」(主催/復活まつり実行委員会)が開催されました。劇団はぐるま座は約30分の演目『高杉晋作と笠井順八』の劇を剣詩舞道光翠扇流の6人とともに上演しました。24日の前夜祭は大雨に見舞われながらも実行委員スタッフも長靴を履いて来場者の足もとを整備するなど、全力を挙げた催しがおこなわれました。
会場の住吉神社は、旧小野田市の名誉市民第一号となった笠井順八翁(小野田セメント・現太平洋セメント創業者)を祀っており、住吉まつりは、催しを通じて笠井翁の遺徳を偲び、また若い世代にも氏の功績を伝えながら郷土への誇りを抱いてもらえればとの思いで復活したもので、コロナ禍の時に期は規模を縮小し、会場も商業施設でおこなうなどしながら継続し、今回で14回目となりました。
前夜祭は荒天となり、ステージイベントも困難を余儀なくされながらも、よさこいやバンド演奏、ダンスなどがおこな
われた。このうち、笠井順八翁の玄孫でフリーアナウンサーの松野芳子氏による笠井翁の紙芝居は、室内用の通常の紙芝
居ではなく、急遽畳一畳分の大きさに拡大したものが手配され、上演された。
雨が上がり、前日とうって変わって良い天気となった本祭
は、メイン会場に地元の人たちの屋台が所狭しと出店し、子
どもたちや親子連れをはじめ、高齢者も含め大勢の参加者で
賑わいました。舞台から向かって正面に机と椅子が置かれ、
参加者が、思い思いに飲食を楽しみながら過ごす人たちで満
席となりました。
園児による踊りや太鼓演奏、神輿や龍舞、中学生の吹奏楽、
よさこいなどがおこなわれる中、劇団はぐるま座は『高杉晋
作と笠井順八』を剣詩舞道光翠扇流とともに上演しました。
剣詩舞道光翠扇流と一緒につくる住吉まつりの舞台は今回
で3回目となり、この日に向けて、劇団稽古場で稽古を重ね、
今回は農民出身の奇兵隊士「茂松」役を高校生が担いました。
開演にあたって、導入では前述の笠井順八翁の玄孫である松野芳子氏(フリーアナウンサー)が、ナレーションで舞台に誘ってくださいました。
高杉晋作とともに功山寺で決起する場面から始まる舞台は、志願してきた奇兵隊士たちが、どんな思いで馳せ参じて来たのか、村の代表として送り出され、仲間の分も世直しのために力を尽くす気概が語り合われる。茂松のセリフもさまざまあるなか、自分の言葉として昇華させ、堂々と役を演じてくれました。また、長州藩内で高杉率いる正義派が俗論派との戦いで困難を極めていた時、局面を変えた大田・絵堂の戦いのシーンでは、剣舞のキレのある殺陣さばきと気迫溢れる演技で臨場感を出しました。
舞台はその後、薩長同盟へと繋がる時期、長崎で高杉が薩摩の五代友厚と会い、イギリスのグラバーを通じて武器を購入する手はずを整えて長州に戻り、その購入資金として藩の裏金を出してほしいと相談する場面へ。
藩の裏金を管理する御扶育方元締役の役職にあった笠井順八は、貧しかった幼少期に養子となり、藩校「明倫館」で優秀な成績となって藩主への講義の任も務めたが、身分が低いという理由で任を解かれ、以後「明倫館」には一歩も出入りすることはなかった。そうした経験を持つ笠井は、身分の隔たりをなくし、世直しを願う多くの領民たちと同様に、新しい社会を実現すべく、「笠井さんにご迷惑はおかけしません。すべての責任が僕がとります」と言う高杉に対し、「いいえ、これは私の役目です。高杉さんはなんのご心配もいりません。9万2400両、即刻お渡しいたします」と決断する。
史実に基づいた実話であり、この資金によって武器を購入した長州藩は倒幕へと進み、明治維新革命となっていった。そして、維新後も江戸に行くことはなかった笠井順八は小野田の地で日本発の民間セメント会社を設立した―。
終演後、満席の客席からは大きな拍手が起こり、手を振ったり、「よかったよ!」「最高!」など言ったりする人の姿も見られた。そして、まつりの進行役であるMCと舞台上でのインタビュー形式の会話のなかで、「来年も来てくれますか?」との問いに、劇団員が客席に向かって「来年も来ていいですか?」と聞くと、再度拍手が起こり、「待ってるよー!」「来てください」など大きな声で発する人たちや、満面の笑みで手を振る人など一体感に包まれました。
主催者の一人からは、「前夜祭の松野さんの紙芝居と、本祭のはぐるま座の劇。これがないとなんのためのまつりなのかがなくなってしまう。今年もこれでまつりの柱を立ててもらえた。来年も引き続きよろしく」との言葉をいただきました。
祭り参加者も舞台に興味津々
劇団はぐるま座
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