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明治維新を切りひらいた高杉晋作と原動力となった農民・町人・商人の物語

 

2017年

高杉晋作没150周年記念   劇団はぐるま座65周年記念

魂ゆさぶる草莽崛起の精神

ー『動けば雷電の如く』下関公演ー

 

 10月13日(金)、来年の明治維新150年に向けた第一弾として、高杉晋作没150年・劇団はぐるま座創立六五周年記念『動けば雷電の如く』下関公演が、下関市生涯学習プラザ・海のホールでおこなわれました。下関市内はもとより、県内各地や広島、九州からの来場もあり、大成功のうちに幕を閉じることができました。

 

 このたびの公演では「郷土・下関の素晴しい歴史を知り、高杉晋作や白石正一郎、奇兵隊士らの心意気を、多くの市民、とくに青少年や若い世代に伝えていくことは、これからのまちづくり、人づくりの糧になるものだ」と、各界四六氏の賛同と60近い企業や病院、神社仏閣、団体等の協賛をいただき、地域のお祭りや催事、諸団体の会合、また中学校の特別授業でも紙芝居の上演がおこなわれるなど、創意的なとりくみが進められてきました。

 

 公演当日の受付や場内整理、送迎バスの提供や運転も、新地、吉田、長府、王司をはじめ、市内各地の賛同人の方々が積極的に担ってくださり、ロビーには、下関の書家・津田峰雲氏(山口県書道連盟常任顧問)が明治維新150年にあたって揮毫した書「高杉晋作の熱情」が展示されました。また、下関を拠点に活動している若手の吟剣詩舞グループ・ソードダンサー~侍~の皆さんや、大分県から駆けつけた家族連れのファンが賛助出演するなど、多くの皆さまの熱い思いがこもった催しとなりました。

 

 幕が開くと、世直しの願いを語り合う農民・町人たちの場面や高杉晋作と白石正一郎が奇兵隊の創立を語り合う場面など、各場各場で拍手が起こりました。さらに十数万の長州征伐軍が広島まで迫り、海からは四ヵ国連合艦隊が襲いかかり、長州藩内で逆流の嵐が吹き荒れるなか、わずか80名足らずでの功山寺決起、そして藩論の統一へと続いてゆく、高杉の行動には、随所で「高杉、いけっ!」のかけ声がかかり、「面白きこともなき世を面白く…」の高杉辞世の句とともに幕が降りると、会場は鳴り止まぬ拍手に包まれました。

 終演後のロビーでは、見送りに出た俳優と記念写真を撮る人や交流する人々の列が続き、「これからを生きる力になった」「高杉や奇兵隊士の誇り高い姿をぜひ全国に発信してほしい」「子どもたちにもっと観せたい」「私も協力させてもらいます」「この劇はまた観たい」など口々に期待が語られました。

 私たちは、この公演を契機としてさらに精進を重ねつつ、先人たちの思いをより深く知り、後世へと伝えていく維新顕彰の活動を各界の皆さまと共にいっそう発展させ、来年の明治維新150年を大きく盛上げてい期待と思います。

 

《アンケートより》

▼迫力があってとてもおもしろかったです。現代まで名前が残っている方だけでなく、無名の百姓、町民、農民などについても知ることができました。高杉さんの“死んでいった同志たち…”のところがすっごくかっこよくてジーンときました。高杉さんの詩吟、すごすぎました。(14歳・女子中学生)

▼初めての観劇でしたが団員さんの演技、声や表情に見入ってしまいました。高杉晋作のことについても名前しか知らなかった所からいろいろと興味が湧きました。最後萩に向かう途中、農民が食糧を持ってくるシーン、奇兵隊が強かったのはやはり理由があったのだと思いました。とても面白くあっという間の二時間でした。ありがとうございました。(31歳・保険会社・男性)

 

▼舞台演劇を観ることは二回目ですが、改めて映画とは違う空気(息吹)を感じることができました。本当に新鮮に感じました。自分のみ異なる意見の時に周りに立ち向かう高杉さんの強さ、弱き者に与える優しさに感動しました。素直にかっこいいと感じました。まさに一期一会ですね。大変なエネルギーが凝縮されたものと思います。(52歳・男性)

 

▼楽しく見させていただきました。高杉晋作と奇兵隊は私たちの誇りです。「草莽崛起、人民による革命」等のセリフが印象に残った。(63歳・男性)

 

▼人民の力を集めて、明治維新を成し得て、彦島の割譲を許さなかった高杉晋作。それに増して周りを取り巻く女性の方々が支える兵士の元気に感動しました。前回観た時にも増して私も頑張ろうと思いました。印象に残ったセリフを覚えて今書かねばと思いましたが、思うつど忘れるようでした。しかし目頭が熱くなることで心に残ったと思っております。度々の上演でしたが、選挙の前とはいえ外国に敗れてはいない、負けてもいないはずだと実際のところ知りたいと思います。(59歳・男性・福祉関係)

 

 

2018年

維新150年記念公演 美祢市から盛大に幕開け!

1月14(日) 美祢市市民会館

 治維新150年記念『動けば雷電の如く』美祢公演が、1月14日(日)、美祢市民会館で開催され、美祢市内をはじめ下関、長門、萩、宇部、山陽小野田、周南、山口など県内各地から多くの方々が観劇されました。

 

 開演に先立って麦川小学校詩吟クラブ吟友会のみなさんが登壇。「明治維新150年を経た今、高杉晋作の志とはどんなものだったのかを、少しでも知りたいと詩吟をとおして勉強しました」と、高杉晋作の和歌二首と漢詩一題を澄みきった吟で詠いあげ、大きな拍手がおくられました。

 

 つづいて美祢市商工会青年部長の末永実行委員長が挨拶にたち、「本年は明治維新150年。私は美祢市に生まれ育ち、美祢市が大好きです。故郷を愛する、郷土愛を育むというのはこの土地の歴史を学び糧とし、自分自身の志を高くしていくこと。そのことにより、好きという気持ちから誇りということが生まれてくると思います。このことを若い世代に後世に伝えていくことが私たちの役目です。今日この劇をとおして、この町の歴史をあらためて知り、子どもたちは教科書のなかにはない何かを感じ、大人も子どもも何かを感じてもらえれば嬉しい」と語り、公演開催へ寄せられた協力への謝辞を述べました。

 公演は、舞台の進行に身じろぎもしないで見入る人々から、登場人物の思いと重ねた共感の声が寄せられ、終盤、「新しい近代統一国家をつくりだしました」、「アジアで唯一欧米列強の侵略を阻止し民族の独立を守り抜いたのです」「日本民族の誇るべき歴史でなくてなんでありましょう」と語られるとおしみない拍手が沸き起こりました。維新150年の地元山口県内公演の皮切りにふさわしい熱い公演になりました。

 

▼感動をありがとう。いつの時代にも民衆の力、市民の力こそ大事。舞台装置がすばらしい。劇団の方々の熱演に感動。観客はみじろぎもせず熱心にみておられた。晋作の吟詠すばらしい。大変な逆風にもひるむことなく立ち向かう晋作の姿、すごい。人民安堵の吟詠、すごい感動。小学生の吟詠が生きた。長州人といって150年経った今も恐れられる意味がわかった。(印象に残ったセリフは)「国のため身代」「人はいずれ死ぬ、世のため人のため死ぬのは本望」「人生のことは棺にふたをするまでわからん」「海の流れを掴まんと漁にはならん」実行委員会一同、よく頑張られたと思います。(女性)

 

▼迫力ある演技そのものに立志を感じさせる。背景というか大道具がよくできていると思いました。目標設定が高いことが維新へとつながったと感じた。(印象に残ったセリフは)海の上面の潮と海の中の潮の流れは違う。これからもすばらしい演劇をお願いします。(六〇歳・教諭・男性)

 

▼歴史が風化するなかで、明治維新を伝えるのは困難だと思いますが、気持ちで伝わってきます。何度観ても良い舞台です。これからもがんばって下さい。農村は明治維新の頃より、まだ大変です。舞台から元気をもらいました。スタッフの皆様、大変ありがとうございました。(無記名)

『動けば嵐電の如く』島根県松江市公演

1月29日 島根県民会館中ホール

 島根県公演の初日となる、劇団はぐるま座『動けば雷電の如く』松江公演が、一月二九日(日)島根県民会館中ホールで行われ、市内はもとより近隣町村からも駆けつけた人々で熱気溢れる公演となりました。当日の朝、松江工業・南高・東高演劇部の生徒有志が仕込から参加。公演には小中高校生をはじめ、福祉・教育関係者、商工業者、農業者、文化団体など幅広い方々が駆けつけ、松江市母子会やフレッシュ秋鹿婦人会、マイクロバスで駆けつけた鹿島町「大森会」が集団鑑賞しました。

 開演に先立ち、実行委員長の安部登氏が、「高杉晋作は、優れた識見と果敢な行動によって長州藩を明治維新に導いた。劇団の円熟した演技は深い感動を与えてくれるでしょう」と挨拶。

 幕が開き、解説役の奇兵隊士が登場すると拍手が沸き起こり、台場の復旧作業をする農民たちの会話に、現代と重ね合わせながら舞台が進行。高杉が白石正一郎に奇兵隊の創設を呼びかける場や、高杉が脱藩を決意し京へ向かう場など息を呑んで見守り、各場毎に舞台と客席が一体となりました。戦場に農婦たちが米俵を運んでくる所では、涙を拭う人たちの姿もみられ、高杉たちが藩論を統一し倒幕していく場では、会場一杯に拍手が巻き起こりました。

 終演後、高杉役を囲んでのロビー座談会には、高校生をはじめ約三〇名が参加。「国を変えていくのは自分達だと思った」(高校生)「高杉の生き方に、人民に奉仕し、人民のためにという、精一杯の奉仕の心が伝わってきた」(社会福祉講師)と熱く語り合われました。

 島根県内公演は4月の出雲市、雲南市の公演に向けて取り組みへの期待が高まっています。

 

アンケートより

 

▼大スペクタルの内容を劇としてまとめること、大変難しいものがあったことと思います。劇団員さん少ない人数、女性が占める中で、でもしっかりした演出・演技でひきこまれました。また、それぞれの場での舞台設定、特に背景などは、最後は次の幕あけの楽しみになるくらいでした。(印象に残ったセリフ、場面)一幕一場で働く農民たちの会話。現在と類似した政治情勢の認識と、それを打破したい主体的な意識、それを導き出したリーダー。それ以後の展開も含めて、現在の私たち一人一人の意識や行動に訴えかけるメッセージが伝わりました。

                                  (64歳・男性)

 

初めから朗々とした語り口で、早くもその世界観に引き込まれました。キャスト一人一人がちゃんと生きていて、誰かの話を聞いている時の反応や表情による心情の変化がひしひしとこちらに伝わってきました。身分を問わず有志が集まって日本を変えようという高杉たちの気概は素晴しいものだったなぁと感じました。背景もものすごく奥行きがあって、空間が何倍にも広がったように思えました。高杉のどこかあっけらかんとした、しかし断固とした意志の感じられる姿勢に、“この人についていきたい”と思わせる何かを感じました。この出来事を通して、国を変えていくのは人々の意志と志なのだな、ということを感じ、私も国のために何か少しでもできるかなぁ…と考えました。キャストの皆さんも、二時間半も演じていたのに疲れた素振りを見せなくて、根性がすごい‼ 役者魂‼ と思いました。嬉しい時の表情が本当に心から嬉しそうで、こっちまで嬉しくなり、自然と笑顔になっていました。

 農民たちが砲台を直す時など、“よいしょー!”と叫ぶところなどが個人的には好きです。高杉が松陰先生のことを思い出しているシーンはしみじみとしました。その後の夜明け、照明の色合いがとても綺麗で素敵でした…! 百姓さんがお米を持ってきたときのやり取りが一番ぐっときて、ああ人の力ってすごいんだなぁと、ただただ感動しました。

 今回の劇を、もっともっと全国に広めていって、もっと多くの人に知ってほしいなと思いました。また松江に来てほしいです! 実行委員会の皆さん、劇団はぐるま座の皆さん、本当に本当にお疲れさまでした! ありがとうございました‼ これからも頑張ってください!

                               (17歳・女子・高校生)

 

年が明けて混迷を極める時代となる予感がする今日。正に時宜を得たテーマだと思います。自己の為でなく、自己の利益集団の為にではなく、人の為、国の為に尽くした人物を見事に描いていたと思います。舞台の作りが立派でした。皆さん、声がよくとおっていた。リズム感に満ちた舞台で良く判った。アメリカには用心せよ。(今と同じトランプには用心せよ)

                                  (66歳・男性)

 

▼農民にたいし、証文を渡した場面で、ほんとうに民衆に支えられ民衆を大切にした改革、戦いであったと感じた。現代の政治もそうあってもらいたい。職場(学校)に紙芝居に来ていただいた。ありがとうございました。子どもたちに(これからの世界を担う)よいものを見せてあげていただきたい。                      (59歳・小学校校長)

 

▼歴史的背景を知らない中、観ましたが臨場感溢れる演技で引き込まれました。観に来る機会をいただきとても良かったです。表面の潮の流れと深層の潮の流れは違う。物事を表面だけでなく見抜いて判断することが大切だと感じた。すごく楽しかったです。今後も応援しています。頑張って下さい。                     (24歳・男性・会社員)

変革をおこすのは、一人一人の名もなき市民!

『動けば雷電の如く』大分県内公演千秋楽

 2016年8/23(火)①13:30 ②18:00

 パトリア日田小ホール

 劇団はぐるま座『動けば雷電の如く』日田公演が、8月23日(火)パトリア日田小ホールで昼・夜二回公演が行われ、女性団体をはじめ、商工関係者、農業者、教育関係者、詩吟、読み聞かせなどの文化関係者、老人クラブ、特別養護老人ホーム職員、小中高校生など市内各界の方々をはじめ、国東市、別府市、杵築市、九重町、福岡県からも沢山の方々が駆けつけられ、大分県の千秋楽にふさわしい昼夜とも熱気溢れる公演となりました。

 

 開演に先だって、梶原償子実行委員長が「くすまちメルサンホールでの公演を観て感動し、日田の人たちに是非観てもらいたいと実行委員会を立ち上げました。五回の実行委員会を開催し、経験のない人達が、その気になればかくれた力を発揮して、前向きに前向きにと本日の公演たどりつきました。ポスターの掲示やチケットの販売、協賛広告など多く人たちの協力のおかげだと感謝申し上げます」と、会を代表して挨拶をされました。

 開幕と同時に、舞台と客席は一体となり、奇兵隊士と農婦たちが、侍を追い返す場面には息を呑んで見守り、高杉が脱藩を決意し京へ向かう場や、功山寺での決起の場面での合吟の場面など、舞台の進行と共に会場からは大きな拍手が沸き起こりました。農婦達が戦場に米俵を運び、奇兵隊士たちが証文を渡す場面では、涙を拭う人たちの姿があり、高杉が二九歳で亡くなる所では、会場から大きなどよめきが起こりました。カーテンコールでは、日田高校出身の劇団員が紹介され、「今日のように観る人と本当に響きあう演劇、客席と心から響きあえる舞台をつくりつづけて参りたいと思います」と挨拶。終演後の見送りでは、「勇気、元気をもらったよ!」「とっても感動した!何度も涙がでた」「また日田に来て下さい!」と、実行委員や劇団員に声をかけ、固い握手を交わす人々の列が続きました。

 

 

 

□アンケートより

▼変革をおこすのは、一人一人の名もなき市民! 功山寺の決起(が印象に残った)。素晴らしい公演でした。                                (三八歳、青年会議所、男性)

 

▼幕末の混乱期に日本を変えようとする高い志で、何回も脱藩を繰り返し、馬関を一つの場として戦う姿勢に深く感動を覚えた。日本の夜明け。この様な人達により幕が開けられたと思うと、今更ながら自分の生き方を考えてしまう。世の中を深く見つめる心と勇気を学んだ。(印象に残ったセリフは)辞世の句――面白きこともなき世を面白く。実行委員の皆さん、お疲れでした。有り難うございました。(無記名)

 

▼日本民族の心を作りあげた高杉さんアッパレ。本日はありがとうございました。(無記名)

 

▼人の世を動かす力は民。主人公である者たちこそ光があたらなければならないと改めて思いました。本当に知らなければ。歴史の真実を見た思いです。知ることの努力、行動する勇気を持っていきたいです。(印象に残った場面)米俵を運んでいる村の女、隊員たち。詩吟。世の中の動きに憤りを覚えているがゆえ、こうした劇のとりくみをこれからも心から待っています。(無記名)

 

▼自分を信じ行動あるのみを貫く考えがみんなを動かしたと思います。奇兵隊の結成を白石正一郎に語る場面。ますますのご繁栄を。(会社員・六五歳)

 

▼題名と内容をみて、私にはむずかしそうだ…と思いチケットを購入しませんでした。しかし、知人よりチケットをゆずっていただき来させていただきました。自分の国、日本の歴史を知る機会をいただき感謝です。今、日本は形はちがうけれど悲しい話題がつづいています。日本人の底力でのりこえていきたい…。大切な子どもたちが幸せにすごせるように、又、昔の人たちに恥じないような国になってほしいです。(無記名)

日田高校出身の安元に花束が贈られる

時代を拓く高杉晋作の志を現代に

高杉晋作150回忌

 

下関市・吉田の東行庵と新地の終焉の地で第150回東行忌

各地からの参加者であふれかえった高杉終焉の地での碑前祭

 明治維新の志士・高杉晋作の命日にあたる4月14日、高杉の墓所である下関市吉田の東行庵と、新地の高杉東行終焉の地で、第150回東行忌が盛大におこなわれました。地元や市内をはじめ、県外からも多くの人人が訪れ、吉田では約500人、新地では約270人が参列。防長50万領民の力を信じて、民族の独立と世直しを成し遂げた高杉晋作の偉業を顕彰し、その志を現代に受け継ごうとの熱い思いがみなぎりました。はぐるま座の劇団員も参列して焼香し、新地では『動けば雷電の如く』の一場面を上演しました。

 

 田では、東行庵を支えてきた地元の人人をはじめ、千葉県から駆けつけた高杉晋作直系の子孫一家や萩市の東行先生遺徳顕彰会、福岡県の野村望東尼顕彰会、香川県の日柳燕石顕彰会の人人が集団で参加。また全国各地の高杉愛好家ら50人がツアーを組んで訪れたり、仕事を休んで駆けつける若い世代の姿が目立つなど、例年にない盛会となりました。

 東行庵には150回忌記念事業として、高杉が功山寺決起の直前、大庭伝七(白石正一郎の弟)宛の手紙で依頼した自らの墓碑銘「(表)故奇兵隊開闢総督高杉晋作則/西海一狂生東行墓/遊撃将軍谷梅之助也 (裏)毛利家恩古臣高杉某嫡子也」を刻んだ碑が建立され、墓前祭の初めに除幕式がおこなわれました。

 作家の古川薫氏が「高杉先生の最高の功績は維新史を画期的に展開された功山寺挙兵だ。極限状況に立たされた指導者の決断力と知的かつ勇敢な行動力を総合した成果によって歴史を旋回させたもので、晋作でなければできなかった大事業だった。墓碑銘は、晋作の全行動を集約したもので、決起にかける思いがこめられており、墓碑銘としても傑作である」と紹介。東行庵代表の松野庵主は、墓誌碑が建立されたことで高杉の思いを後世に伝えていけると喜びを語り、拠金協力への謝辞をのべられました。

 墓前祭では、吉田緑保育園の園児たちの「散華の舞」、明暗無堂会の尺八、清水流東行庵吟詠会の詩吟、京都島原の太夫による舞踊が奉納され、最後に高杉家五代目当主の高杉力氏が「(晋作は)二七年という短い生涯だったが、一五〇年という人生の何倍もたっても、忘れられず皆さんに愛してもらっている。その血筋であることに身が引き締まる思いだ。一五〇回忌を執りおこなわれたたくさんの方の尽力、吉田地区の皆さんが守ってこられたことに深くお礼申し上げる」とのべ、東行庵の世話人代表が今後も高杉晋作の偉業を称え顕彰にとりくむ決意を語られました。

 

 地の「第一五〇回忌・高杉東行顕彰碑前祭」(主催/高杉東行顕彰会、新地自治連合会)では、実行委員長の清水勇作氏が、50年前から始まった碑前祭の歴史を振り返り「近年は市内外から参列者が増え、顕彰の機運が高まってきている」と喜びを語り、今後も地元を中心として次世代に事業を継承していくと挨拶。来賓挨拶、妙蓮寺住職による読経に続いて参列者の焼香に移り、地元の慈光保育園の園児たちや、今回初めて参列した神田小学校の子どもたちが焼香をおこなう姿が参列者の胸を打ちました。

 また、下関吟魂会(会長・松本岳朱氏)の会員二十数人による合吟をはじめ、ソードダンサー「侍」(代表・髙部貢祐氏)の二氏と三人の小学生による剣舞、明和会(和田明社中)の三味線よる歌『男なら』が奉納され、高杉晋作の人柄や思想を浮き彫りにして、碑前祭を彩りました。

 最後に劇団はぐるま座が「明治維新を成し遂げた10代、20代の若者たちが、世のため、人のために命をかけてたたかった心意気を継承し、下関から全国に発信して現代の世直しを求める人人に届けたい」と挨拶した後、『動けば雷電の如く』から“功山寺決起”の場面を披露しました。

 行事の後の直会(なおらい)には、地元の人人を中心に栃木や京都から毎年参列している女性たちも出席して交流を深めました。

 栃木県から参加した20代の女性は「はじめは新撰組に関心があり、その時代のことを調べていた。でも知っていくうちに長州藩が明治維新で果した役割、とくに高杉晋作に惹かれるようになった。ここ数年は毎年、碑前祭に参加して地元の新地町の人たちとも交流させてもらっている」と語り、「当時の歴史を知って、現代に生きる自分たちが、どう未来に繋げていくか。そのために歴史を顕彰することが大事だ」と論議が発展。大学では歴史を勉強したという女性は「理数系の知識なら現代社会に役立てることができるが、歴史や文学を学ぶことが何の役に立つのかという空気もあるなかで、教授は“先人たちの歴史にはこれからに役立てるものがある。だから勉強するんだ”と言っていた」と語り、各地での『雷電』公演の反響や、とりくみのなかで掘り起こされてきた維新の誇りに関心を寄せ、「明治維新を扱うドラマはよくあるが、どういう人たちがどんな思いで成し遂げていったのかを真正面から描いたものはほとんどない。来年といわず、またどこかで交流が持ちたい」と期待を語っています。

 

『動けば雷電の如く』の寸劇を披露

すばらしい剣舞を奉納されたソードダンサー侍の皆さん

奇兵隊創立の地である吉田・東行庵での墓前祭

劇団はぐるま座

〒751-0833 山口県下関市武久町2-61-10

TEL 083-254-0516  FAX 083-252-5964

E-mail  haguruma@crux.ocn.ne.jp