戦後日本民族の魂をうたった詩人・礒永秀雄の没40周年を記念する詩祭が、昨年12月3日に下関市の海峡メッセで開催されました。山口県内はもとより広島、九州・沖縄、関西、愛知県から東京など全国各地から大勢の参加で熱気あふれるものになりました。
小中高生から戦争体験世代など幅広い世代の参加者による朗読や寸劇、大型紙芝居などの多彩なプログラムにより、礒永秀雄の精神が参加者の思いを通して描き上げられ深い感動の広がるイベントとなりました。
会場ロビーでは、礒永秀雄の生涯と業績を紹介したパネルや写真展とともに、沖縄県や下関市の書家の作品や下関市内の幼稚園児から高校生までが礒永秀雄の作品の一節を書いた諸作品、絵画、紙芝居、小中高校生の感想文や感想画など豊富な作品が展示され午前中からとだえることなく参観者が続きました。
開会にあたって実行委員長の海原三勇さん(元下関市連合PTA会長)が「みなさんとともに詩祭を成功させ、礒永さんの思いを下関から発信し全国につなげていくものにしていきたい」とのべられました。
舞台発表では劇団による詩劇『修羅街挽歌』を皮切りに、自身が予科練の出身者であり、多くの仲間を戦争で失った経験をもつ恩田廣孝さん(愛知県)による詩『十年目の秋に』、佐賀県嬉野市で『原爆展物語』をとりくまれた実行委員の有志のみなさんによる詩『さて』、地元で紙芝居の活動を続けている前田克己さん(愛知県)による紙芝居『天狗の火あぶり』、続いて北九州の小学校の2年生の児童による音読劇『鬼の子の角のお話』を元気よく披露。純真な演技に会場も温かい空気に包まれました。
さらに下関市の有志による畳一畳半ほどの大きな紙芝居による『一かつぎの水』、大分県別府市の黒木記念病院に勤務する医師、看護師などの方々で結成された黒木劇団のみなさんによる寸劇『サルカニ合戦』も会場を和ませました。
続いて沖縄県から参加された女性有志のみなさんは詩『核をかついで去れ』を力強く朗読。下関市の画家みねこうしろうさんは詩『ただいま臨終』を個性豊かに発表され、ふたたび劇団による方言詩『野良の弁』のあと、下関市民の会のみなさんによる詩『星ともえなん』『連帯』、続いて下関原爆被害者の会と原爆展を成功させる広島の会のみなさんが、「自分たちの思いそのままうたった詩だ」と『前へ』朗読。そして、小中高生平和の旅の子どもたちが多数登壇し礒永作品に触れた率直な感想を発表し『一かつぎの水』『夜が明ける』を感想画とともに元気よく朗読。最後に長周新聞社の青年たちが、礒永秀雄が生前長州新聞社創刊20周年でみずから朗読して発表した詩『新しい火の山に想う』を朗読するなど、多彩で創意にあふれた発表により、感動と熱気あふれるものとなりました。
劇団はぐるま座も、この詩祭で示された礒永作品への感動を基礎に舞台を一新させ2017年に挑んでいきたいと思います。
定価1000円
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劇団はぐるま座
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