現代の閉塞状況を打ち破る力に!
劇団はぐるま座は2008年にそれまでの中心的な作品であった『高杉晋作と奇兵隊』を1500回に及ぶ全国公演の反響をもとに全面的に改作し、新たに『動けば雷電の如く~高杉晋作と明治維新革命』を創作し、全国公演を展開しています。
今からおよそ150年前…行き詰った徳川幕藩体制をうちやぶり、欧米列強の侵略を阻止しアジアで唯一民族の独立をなしとげ、新しい近代的統一国家をつくりあげた明治維新。これをなしとげた原動力は、まぎれもなく農民・町人という民衆であり、これを導いて先頭にたって戦ったのが高杉晋作をはじめとした下級武士たちでした。山口県に本拠を持つ劇団はぐるま座が、長周新聞社の全面的な協力を得て、県内に多く残る奇兵隊の子孫を取材し、史実に基づいて描き出した圧倒的迫力の舞台は各地で大きな反響を呼んでいます。
加速する日本の閉塞状況に多くの人々が危機感を抱くなか、地場産業の振興や人づくり、町づくりのために力を合わせて奮闘されている方々の熱い世直しの願いと、幕末の欧米列強の侵略を阻止して独立と世直しを成し遂げた父祖たちの誇りが響きあい、活気のある取り組みが全国で行われています。
ものがたり
文久3年(1863年6月)、馬関攘夷戦争で破壊された前田砲台の修復に働く農民たち。徳川幕藩体制は完全にいきづまっていた。その上欧米列強との不平等条約に屈した幕府。「わしらぁ徳川を倒すためなら命も惜しくはないぞ」 庶民の怒りは沸騰していた。
下関の防衛を命じられた高杉晋作は、回船問屋を営む豪商・白石正一郎を訪ね、こう切り出した。「士農工商身分を問わぬ奇兵隊を結成する。徳川幕藩体制を倒し、近代統一国家を実現し、平等な立場で開国する。」 命をかけて戦う高杉の決意に、白石は共に戦うことを誓う。
奇兵隊をはじめとする人民諸隊が誕生すると長州藩の空気は一変した。だが、公武合体派による八・一八クーデターで、長州藩は京都から追放された。朝廷や大名に頼って幕府を倒そうとする空理空論派は、地位挽回のため京都出兵を主張した。高杉は「奇兵隊と人民諸隊の力、民百姓に依拠すれば幕府を打ち負かすことが出来る!」と、断固として出兵に反対する。しかし京都三条の池田屋で、同志多数が新撰組に殺害され、来島たちは暴発した。天皇は幕府に長州征伐を命令。しかも海からはアメリカはじめ四カ国連合艦隊が下関に襲いかかった。近代兵器の前に砲台は破壊されたものの、奇兵隊や諸隊は六度にわたって連合軍の上陸を阻止した。
講和談判に出た高杉は、イギリス人に「敗戦した側だというのに、まるで魔王のようだ」と言わせた傲然たる態度で、300万ドルの賠償金と彦島割譲をはねつけた。だが、全国36藩を動員した幕府征長軍が迫るなか、長州藩俗論派は幕府に屈服し、正義派への粛清を断行。まさに維新革命最大の危機!高杉は「親を捨て、子を捨て、自ら不忠不孝の人となり、国政をして維新たらしめん。」と、自ら封建思想の枠を破り、国のため、万民のために身を捧げることを決意した。
雪降り積もる功山寺。わずか70名余りで決起した高杉たち。「動けば雷電の如く、発すれば風雨の如し」。維新回天のたたかいが始まる…
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劇団はぐるま座
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