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被爆市民・戦争体験者が伝える、広島・長崎・沖縄・戦地の真実と日本の進路

アメリカによって変えられた日本を

    今度は私たちの力で変えていく番ですよ!

 下関から始まった「原爆と戦争展」運動は、峠三吉の詩『全ての声は訴える』をベースとした原爆詩と、峠三吉らが編纂した『原子雲の下より』に綴られた子ども達の詩で構成された写真パネルによって、政党政派にかかわりなく、様々な勢力と一線を画した平和運動として大きな影響を与えてきました。この原爆と戦争展に出会うなかで、これまで語りづらい境遇においやられていた広島・長崎の被爆市民が本当の声をあげることを励ましてきました。またそれが全国で展開される中で東京、大阪をはじめとする全国の空襲や沖縄戦の体験者が当時の真実を語り始めることを促してきました。原爆展パネルもそれによって内容が深まり、戦後、戦争犯罪者のようにみなされてきた戦地体験者が真実を語りはじめ、若い世代へ継承する使命感を高めています。

 この中で、現在に続く戦後日本の構造的な問題が明らかにされ、今度は戦争を阻止することができるという展望が語り合われ、最近では大学生が積極的にボランティアスタッフとして参加し、今日の日本はなぜこんなにデタラメな社会になったのか、打開する展望はどこにあるのか、各地で論議が深まっています。戦後70年を過ぎた現在、そうした思いを強くする各地の被爆者、戦争体験者の方々が真実の声を上げ始めています。

 

 『峠三吉 原爆展物語』はこの取り組みの10年間の記録です。静かに語られる言葉の中に、明るい展望が描かれるドキュメンタリー形式の舞台です。初演の下関を始め、広島、長崎の両被爆地を始め、各地で熱烈な反響を呼び起こしています。

 「自分たちには戦後70年はない」「日本を立て直さなければ死んでいった戦友に申し訳が立たん」「真実を語り継ぐことが自分たち体験者の使命です」と純粋に取り組みに参加されている各地の戦争体験者の方々とともに原爆展事務局、長周新聞社の協力のもと脚本の創作から舞台の制作をすすめ、「戦争を阻止する力を励ますリアリズム演劇」として、平和で独立した日本社会を願う多くの人々ともに全国展開しています。

 

日本の平和運動の様相を変えた原爆展運動10年の記録

 1999年、下関で始まった「原爆と峠三吉の詩」原爆展パネル展は、全国数千ヵ所でおこなわれ、衝撃的な反響を呼び起こした。このパネルは、広島の原爆詩人・峠三吉の詩をベースに、原子雲の下にいた人人の側から、時間を追って、どんな体験をしたのか、どんな思いを抱いていたのか、なぜこんな目にあわなければならなかったのかを写真や絵、峠が編纂した小中高生の原爆詩集などで構成し、下関原爆展事務局によって作成された。

 舞台は2001年秋、広島で初めて開催される旧日本銀行での「原爆と峠三吉の詩」広島原爆展の準備のためにキャラバン隊スタッフたちがチラシを持って市内を一軒一軒まわったところから始まる。

 

 「どうだった?」「手ごわいな。あのう、原爆について聞きたいのですが、といったとたん、お前たちは禁か協かとどなられた」「広島で原爆といって騒ぐ連中は原爆をメシの種にしている奴らだ」など、広島市民のなかには既存の運動への激しい嫌悪感が渦巻いていた。だがスタッフたちは「断固として峠三吉の時期の原点にかえった運動をつくるんだ。加害責任の反省などという勢力とは違い、アメリカの犯罪にはっきりした態度をとること、市民の意見を徹底的に学ぶ姿勢でいくこと」という立場で一致して入っていった。すると市民からはまるで古い友人があらわれたかのような歓迎を受けた。

 全市民の協力のもとでおこなわれた旧日銀広島支店原爆展は、「広島の者が本音を語り始めたら日本は変わる」「広島の面目を一新させよう」と意気込み高く開幕。市民たちからは、「初めて語れる場所に出会った」とこれまで胸に秘めてきた凄惨な被爆体験が激しく語られた。

 

 以来10年間の原爆展連動は、瞬く間に全国に広がり、これまで語られなかった各地の空襲体験、県民の4人に1人と10万人もの日本兵が犠牲となった沖縄戦の体験、「祈り」が強いられてきた長崎市民の本当の声、また、特攻隊や中国、南方などの戦地体験、そして戦後の苦労などが堰を切ったようにほとばしり、あの戦争はなんであったのか、敗戦後の日本はどんな社会なのか、厚く施された欺まんのベールを引きはがし、広島、長崎、沖縄、戦地の真実を浮き彫りにしていった。

 それは、再び戦争に向かうことを押しとどめ、平和で豊かな日本を建設する確かな力が、日本民族のなかにあることを確信させるものだった。このドラマは、その原爆展運動の記録である。

 

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