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     【上演にあたって】

 

 広島の詩人・峠三吉は、28歳のとき爆心地から3Kmの自宅で被爆しました。峠の詩は多くの人々の底深い思いを代表しています。

 戦後5年目の1950年、朝鮮戦争で3発目の原子爆弾が投下されようとしたとき、広島から始まった原爆禁止の運動に参加した峠三吉は、数多くの原爆詩を発表し、翌年には『原爆詩集』を刊行しました。また峠が中心となって編纂した小中高生の詩集『原子雲の下より』には、1389編もの子どもたちの詩が寄せられました。

 激しい原爆症とたたかいながら詩作を続けた峠三吉は、36歳という若さで亡くなりました。しかし「文化とは、どう生きるかという生き方の問題」であり、「自分を役立たせて皆のためにより良い社会を作ろうとする情熱にほかならない」との熱い思いが込められた数々の作品は、全国全世界の人々の熱烈な感動を呼び起こし、ますます輝きを増して生き続けています。

平和で豊かな世界を築く子どもたちに!

【舞台で朗読される詩】

峠三吉の詩/『すべての声は訴える』『その日はいつか』

      『八月六日』『ちいさい子』『墓標』

 

子どもたちの詩/『無題』 南観音小5年・香川征雄

        『げんばく』 広瀬小4年・高橋史江

        『弟』 舟入小5年・栗栖英雄

        『げんしばくだん』 比治山小3年・坂本はつみ

        『原子爆弾』 竹屋小6年・清木操

        『おとうちゃん』 本川小3年・柿田佳子

        『無題』 南観音小5年・佐藤智子

        『ぼくのあたま』 舟入小4年・河合賢治

        『原爆の思い出』 竹屋小6年・寺西邦雄

        『無題』 南観音小5年・石田練

        『姉ちゃん』 庚午中1年・池田博彰

        『原爆』 二葉中2年・山代鈴子

        『原爆の思い出』 安芸郡鼓中3年・勝矢美子

『峠三吉と子どもの詩』

試演会を開催しました

12/1(日) 下関市立勝山公民館・音楽ホール

 

 7月に劇団稽古場(下関市武久町)でおこなった公開稽古に続いて、12月1日(日)下関市勝山公民館で、朗読劇『峠三吉と子どもの詩』の試演会を開催しました。当日は中学生から90代の戦争を体験された世代など、60名の方々が来場されました。

 市民の皆さまから寄せられたご意見やご批判、ご要望に真摯に学び、戦後七五年を迎える来年には新生はぐるま座としての本格的な創造・普及活動を展開していきたいと思います。皆さまから寄せられたアンケートをご紹介いたします。

 

 

▼開演直後から戦時中の世界感に引き込まれました。「戦争」と「原爆」という非常に重く、難しいテーマですが、当時の写真や詩の朗読によってはぐるま座の皆様が何を伝えたいのかが伝わってきました。

 (印象に残ったのは)「ぼくのあたま」「弟」「げんしばくだん」これらの内容は実に自身の体に起きた変化や家族が息絶えてしまった時の様子が、悔しさ、悲しみをどこに、誰にぶつければいいのか…そんな気持ちが強く伝わってきました。山代鈴子「原爆」、(被爆当時)小学校二年でかなりまとまった文で、使われる言葉も多様な詩でしたので、私達は元より「小学校二年生」といった年の子どもにかなりのインパクトがあった事がわかりました。初めて観覧させていただきましたが、開演前の客席の会話からはぐるま座の公演に何度も足を運ばれている方の多さにびっくりしました。

 今日の様な「戦争」といった「これから大人になる人に向けて」のテーマで公演をなさるのでしたら、スマホやPC等、情報はいつでも調べられるので、公演後の時間に戦争や原爆について検索してもらう時間を設けてみてはどうでしょうか? そしてこれからの若者に「どうして欲しい」のか、具体的に伝えてみても良いかも知れません。皆様の活動が若者を動かす「はぐるま」になれば、本当に素晴らしい事です‼ 劇団の名に相応しい試演会でした!ありがとうございました。(市内勤務・36歳・男性)

 

▼子ども目線の戦争の悲惨さ、辛さを感じました。詩と映像がリンクしていると、もっとわかりやすいかと思いました。映像を見ている間に詩を聞き逃してしまう事がありました。誰のせいなのか、何の為なのかが伝われば、子どもも理解できるかも知れません。「序」の詩は一番最初にインパクトがありました。平和な時代を作り上げてきている現代までにどのような事があったのか、認識が薄れないようこれからも素敵な上演を楽しみにしております。今日はありがとうございました。(無記名)

 

▼団員の皆様の日々の鍛錬の成果が垣間見える舞台でした。力強い目、声…圧倒されました。詩を字幕で載せて欲しいです(分からないことば、字を見て分かることばがあると思う)。子どもたちに見せることを前提とするなら、もう少し演劇の部分を増やした方が、世界に入りやすく、身近に感じやすいと思いました。服などの演出はとても良いと思いました。(印象に残ったのは)「墓標」その他、子どもたちの書いた詩が印象に残りました。戦争は〝今から始めます〟で始まるんじゃなくて、〝だんだん物が言えない世の中になっていく〟の様な台詞。

                        (山口朝鮮初中級学校・二六歳・女性)

 

▼前回よりも動きが増えてよかった。照明もあって、舞台感がでていた。セリフを覚えているのはすごいが、少し台本に目をやってもいいのかな?と思う。小中学生の書く内容の詩ではないと感じた。それほど、こわい思い、つらい思いをしたのかと感じる。その詩たちが心にささるし、戦争をしてはいけないとほんとに思う。(病院勤務・32歳・男子)

 

▼すばらしい舞台でした。私の祖父も被爆者でした。その事実は祖父が亡くなってずいぶん経って、母から聞かされました。どれだけ恐ろしい経験をしたのだろうか。舞台を通じて、『その頃』を視覚、聴覚、心で感じることができました。団員さんたちの声、表情、また音楽が一層舞台の雰囲気を作ってくれた。(印象に残ったのは)・平和をかえせ(『序』)・子どもたちの詩 (要望)だれを対象として、この作品を上演するのか。劇の部分を増やして欲しいです。花束、千羽鶴をもう少し大きく。(山口朝鮮初中級学校・24歳・女性)

 

▼武久の劇団の試演会に比較すると、よくなったと思います。被爆前の市民生活の描写も必要なことですよね。原爆投下までの戦争犯罪者のたくらみがバクロされて良かったと思います。子どもの詩の朗読は、何回聞いても心がうたれます。涙がとまりませんでした。今日みたいな会場で、多くの子どもたちにぜひみせてほしいです。意見の中にあった現代と結びつけてどう描くか、課題ですね。(無記名)

 

▼演技が上手でした。気持ちがよく伝わってきました。原ばくを投下された広島の人々のつらさとかが朗読を聞いていてとても伝わってきました。全ての詩、一つ一つの言葉がとても印象に残りました。(小学校・12歳・男子)

 

▼完成度が高くて、とても稽古の途中とは思えませんでした。原爆で家族を失った子ども達の詩に心を打たれました。(中学生男子・15歳)

 

▼以前より改良されて入ってくる感じがしました。誰が戦争を起こし、誰が犠牲になるかも強調されていて良かったです。現役世代にも響く内容だと思いました。最後に発言された、映像に字を入れて欲しいというのは、私ももっと入ってきやすくなるかと思いました。現在の社会情勢と重ねるのは、もっとしても良いと思いました。だいたんに強調して欲しい。戦争が何故起こったかという始まりや真実を、はぐるま座にしか出来ない直球で表現して欲しいと思いました。(無記名)

 

▼先の大戦の悲惨さと、まだ本当の総括のすんでいない今の日本の置かれた危うさに危機感を覚える。(印象に残ったのは)貧乏になって戦争に引きこまれた。忘れえようか。

                             (北九州市・六四歳・男性)

 

▼原爆の体験の無い皆様が、体験者の気持ちの真実を、苦しみを伝えて頂きました。今は戦争の愚かさ、何の罪もない弱者の命を、戦争とは原爆とは考える。総理はアメリカと同盟、今の平和を覆す。被爆者として、平和の為に頑張って下さい。(94歳・女性)

 

▼聴衆者の意見はいろいろだろうと思いますが、私はやはり表題に徹して上演された事は大変良かったと思うし、やはりそうあるべきだと思います。その中で原爆、悲惨さを知るべきと思います。(七四歳・男性)

 

▼原爆投下直前の広島の様子がとても分かりやすく、目の前に見えているようでした。「序」の私につながる人間をかえせという言葉が、心にとても重く響きました。パンフレットやプリント等に朗読されてる詩などをのせていただけると、よりわかりやすいと思います。

                              (看護師・三七歳・女性)

 

▼先の戦争時代を再現するような峠三吉の詩と子どもの作文……この朗読劇を、日本各地へ広げていくことが、演劇集団としての劇団はぐるま座の使命でありましょう。プロの朗読…当時に引き戻されたような気持ちになった気がする。これを広く知らせていくことが、反戦平和に役立つと思います。原爆投下六〇年の時期に「はぐるま座」が公演された、広島の惨状を主題とされた劇と、本日の『峠三吉と子どもの詩』を合わせた作品で、3幕ばかり「劇」を創作し世に問う方法もあるのではないかと思います。(山陽小野田市・農業・九〇歳・男性)

 

▼原爆と戦争展運動を地域で続けていますが、大戦後の日本はどうなっているのか、戦争が現実味をおびてきたことに対して、多くの人が問題意識を高め、自分たちの問題として真剣に考え、行動しようとしている。今日の作品を多くの人にみてもらうようにすることは大切だと思います。共に頑張っていきたいと思います。子どもたちの切実な思いが伝わってきました。全国の子どもや教師、父母に伝え、みんなの力で平和な社会をつくっていくきっかけになればと思います。(宇部市・77歳・男性)

 

劇団はぐるま座

〒751-0833 山口県下関市武久町2-61-10

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